漢方薬の基礎知識:四気を学ぶ

漢方薬の基礎知識:四気を学ぶ

東洋医学を知りたい

先生、『四気』って東洋医学でよく聞く言葉ですが、どういう意味ですか?

東洋医学研究家

良い質問だね。『四気』は、薬に使われる生薬がもつ4つの性質のことだよ。具体的には『寒』『熱』『温』『涼』の四つに分類されるんだ。

東洋医学を知りたい

『寒』『熱』『温』『涼』…ですか?なんだか難しそうですね。

東洋医学研究家

そうだね。簡単に言うと、身体を冷やすか温めるか、その作用が強いのか穏やかなのかを表しているんだよ。例えば、『寒』は身体を強く冷やす性質、『涼』は穏やかに冷やす性質といった具合だね。

四氣とは。

東洋医学で薬の性質を表す言葉に「四気」というものがあります。これは、薬が体に及ぼす温かさや冷たさを、寒、熱、温、涼の四つに分けて表したものです。

漢方薬と四気

漢方薬と四気

– 漢方薬と四気

漢方薬は、自然界に存在する植物や鉱物など、天然由来の生薬を巧みに組み合わせることで、体のバランスを整え、本来人間に備わっている自然治癒力を高めることを目的とした伝統的な医療です。その漢方薬を選ぶ上で、重要な概念の一つに「四気」というものがあります。

四気とは、それぞれの生薬が持ち合わせている寒熱の性質を表す言葉で、「寒」「熱」「温」「涼」の四つに分類されます。 暑さや冷たさの度合いが強いものを「寒」や「熱」、穏やかなものを「涼」や「温」と表現します。

例えば、体の熱を冷ます働きを持つ生薬は「寒」の性質を持ち、冷え症を改善する生薬は「温」の性質を持つといった具合です。漢方薬は、これらの四気を考慮して生薬を組み合わせることで、体全体のバランスを整え、病気の根本的な改善を目指します

人の体質や症状は千差万別なため、同じような症状であっても、体質やその時の状態によって適した漢方薬は異なります。例えば、風邪の症状が出ている場合でも、寒気や鼻水が強い場合は「温」の性質を持つ漢方薬を、喉の痛みや発熱が強い場合は「涼」の性質を持つ漢方薬を選びます。

このように、漢方薬を選ぶ際には、自身の体質や症状、そして生薬の持つ四気を理解することが重要となります。自己判断はせず、漢方に精通した専門家に相談することをお勧めします。

四気 性質
体の熱を冷ます 寒気、鼻水
体を温める 冷え症
穏やかに体を温める
穏やかに体の熱を冷ます 喉の痛み、発熱

四気の分類

四気の分類

– 四気の分類

-# 四気の分類

東洋医学では、自然界と人間の身体は密接に関係していると考えられています。自然界には、寒さ、暑さ、風の強さ、湿度、乾燥など、様々な気候の変化が存在しますが、これらの変化は私達の身体にも影響を与えます。この自然界の気候変化を、東洋医学では「気」という概念で捉え、「四気」として分類しています。

四気は、「寒(かん)」「熱(ねつ)」「温(おん)」「涼(りょう)」の4つに分けられます。それぞれの気は、身体に異なる影響を与えます。

まず、「寒」は、読んで字の如く身体を冷やす性質を持っています。冬の寒さはもちろん、冷たい食べ物や飲み物も「寒」の性質を持ちます。冷え症の方や、身体が冷えている時に「寒」の性質を持つものを過剰に摂取すると、体調を崩してしまう可能性があります。

反対に、「熱」は身体を温める性質を持ちます。夏の暑さや、熱い食べ物、辛い食べ物などが「熱」の性質に当たります。暑さで体調を崩しやすい方や、熱がこもりやすい体質の方が「熱」の性質を持つものを過剰に摂取すると、熱中症や炎症などを引き起こす可能性があります。

「温」と「涼」は、「熱」と「寒」よりも穏やかな性質を持っています。「温」は身体を優しく温め、「涼」は身体の熱を穏やかに冷まします。

東洋医学では、この四気の性質を理解し、自身の体質や体調に合わせて、食べ物や生活習慣を調整することが大切だと考えられています。

性質
身体を冷やす 冬の寒さ、冷たい食べ物、飲み物
身体を温める 夏の暑さ、熱い食べ物、辛い食べ物
身体を優しく温める
身体の熱を穏やかに冷ます

それぞれの性質と効果

それぞれの性質と効果

– それぞれの性質と効果

東洋医学では、自然界のあらゆる現象を「陰陽五行説」という考え方で捉え、私たちの体も自然の一部として、その影響を受けていると考えます。 そして、その考え方を基に、寒熱温涼(かんねつおんりょう)という4つの性質を用いて、体や心の状態、病気の原因などを分析し、治療を行います。

-「寒(かん)」-は、その名の通り冷やす性質を持つため、体の熱を冷まし、炎症を抑える効果があります。熱中症や日射病のように、暑さによって引き起こされる症状や、熱を持った炎症性の疾患に用いられます。また、出血を止める効果も期待できます。

-「熱(ねつ)」-は、体を温める性質を持ち、冷え症や血行不良の改善に効果があります。冷え性や生理痛、消化不良などに用いられるほか、体の機能を高める作用も期待できます。

-「温(おん)」-は、熱ほど強くはありませんが、体を穏やかに温め、消化機能を高める効果があります。冷えによって引き起こされる胃腸虚弱や食欲不振、腹痛などに用いられます。

-「涼(りょう)」-は、寒ほど強くはありませんが、体の熱を冷まし、炎症を抑える効果があります。のぼせや顔の赤み、皮膚の炎症などに用いられます。 また、精神を安定させる効果も期待できます。

これらの性質を、症状や体質に合わせて使い分けることで、より効果的に体のバランスを整え、健康な状態へと導くことができると考えられています。

性質 効果 適応
体の熱を冷まし、炎症を抑える。出血を止める効果も。 熱中症、日射病、熱を持った炎症性の疾患
体を温め、冷え症や血行不良の改善。体の機能を高める作用も。 冷え性、生理痛、消化不良
体を穏やかに温め、消化機能を高める。 冷えによる胃腸虚弱、食欲不振、腹痛
体の熱を冷まし、炎症を抑える。精神を安定させる効果も。 のぼせ、顔の赤み、皮膚の炎症

体質に合わせた使い方

体質に合わせた使い方

– 体質に合わせた使い方

漢方医学では、自然界のあらゆるものを「温(おん)」「熱(ねつ)」「寒(かん)」「涼(りょう)」の四つの性質に分けて考えます。これを「四気(しき)」と言い、生薬や食材にもこの考え方が応用されます。

自分の体質や症状に合った生薬を選ぶことは、漢方治療において非常に重要です。例えば、冷え性で悩んでいる方は、体を温める性質を持つ「温」や「熱」に分類される生薬を積極的に摂ると良いでしょう。具体的には、ショウガやトウガラシなどが挙げられます。一方、のぼせやすい体質の方は「寒」や「涼」に分類される生薬を選びましょう。ミントやハッカなどがその代表例です。

ただし、自己判断で安易に生薬を服用することは大変危険です。体質に合わなかったり、服用量を間違えたりすると、思わぬ副作用が現れる可能性もあります。漢方薬の使用を検討する際は、必ず漢方医や薬剤師に相談し、自分の体質や症状に合った生薬を処方してもらうようにしましょう。

性質 説明
温(おん)/熱(ねつ) 体を温める性質 ショウガ、トウガラシ
寒(かん)/涼(りょう) 体を冷やす性質 ミント、ハッカ

日常生活への応用

日常生活への応用

– 日常生活への応用

東洋医学の考え方のひとつに、「四気」というものがあります。これは、食べ物が持つ性質を、体を温めるもの、冷やすもの、寒熱どちらでもないもの、といったように分類する考え方です。

この四気の考え方は、漢方薬を選ぶ際に用いられるだけでなく、毎日の食事にも応用することができます。例えば、夏の暑さ厳しい時期に旬を迎えるトマトやきゅうりなどの夏野菜には、体を冷やす作用があるものが多くあります。反対に、寒い冬に収穫されるごぼうや大根などの冬野菜には、体を温める作用があるものが多いと言われています。

このように、旬の食材は、その季節の気候に合わせて私たちの体を自然と整えてくれる力を持っていると言えるでしょう。

普段の食事から、季節や体調に合わせて食材を選ぶように心がけることは、体の内側から健康を維持することにつながります。そして、それはひいては、病気になりにくい、強い体作りにも役立つと言えるでしょう。

季節 旬の食材 体の状態
トマト、きゅうりなど 体を冷やす
ごぼう、大根など 体を温める
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