漢方の診察 真熱假寒:熱が招く意外な冷え
- 真熱假寒とは真熱假寒とは、東洋医学で使われる言葉で、体の中に過剰な熱がこもっているにもかかわらず、まるで寒気がするような症状が表面に出てしまう状態を指します。分かりやすく言うと、「熱があるのに寒い」という一見矛盾した状態を表しています。この真熱假寒は、体の表面に現れる症状と、体内の実際の状態が異なっているために起こると考えられています。例えば、風邪をひいた時、体の中に侵入してきたウイルスや細菌と戦おうとして、体温を上げようと体が働きます。その過程で、発熱やのどの痛み、咳などの症状が現れますが、同時に寒気を感じることがあります。これは、体内の熱を外に排出しようとする反応として、一時的に体の表面の温度が下がるために起こると考えられます。真熱假寒は、風邪の初期症状として現れることが多いですが、その他にも、インフルエンザや肺炎、胃腸炎など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。このような場合、自己判断で風邪薬などを服用するのではなく、まずは医師の診断を受けることが大切です。東洋医学では、真熱假寒の状態に対して、体の表面の冷えを解消しながら、同時に体内の熱を取り除く漢方薬を用いることがあります。また、体を温める効果のある食事を心がけたり、ゆっくりと休養をとることも大切です。症状が改善しない場合は、自己判断せずに、医療機関を受診しましょう。
