更年期? 突然の熱さは『潮熱』かも

更年期? 突然の熱さは『潮熱』かも

東洋医学を知りたい

先生、「潮熱」って東洋医学の言葉でどんな意味ですか?

東洋医学研究家

いい質問だね。「潮熱」は、潮の満ち引きのように、決まった時間に体温が上がったり下がったりする症状を指す言葉だよ。

東洋医学を知りたい

体温が上がったり下がったり…? 熱が出たり下がったりするってことですか?

東洋医学研究家

そうだよ。まるで、毎日決まった時間に熱が出て、またそれが引いていく、というようなことを繰り返すんだ。それが潮の満ち引きのように周期的に起こるので「潮熱」と呼ぶんだよ。

潮熱とは。

「潮熱」とは、東洋医学で使われる言葉です。海の潮が満ちたり引いたりするように、決まった時間に熱が上がったり下がったりすることを指します。

潮熱とは

潮熱とは

– 潮熱とは

-# 潮熱とは

潮熱とは、まるで海の潮が満ち引きするように、特定の時間帯になると体温が急激に上昇と下降を繰り返す体の状態を指します。この体温の変化は、まるで体の中に熱い波が押し寄せてくるような感覚を引き起こし、同時に顔や首、頭などに強い熱を感じます。

潮熱の特徴は、体温の上昇と下降が1日のうちでほぼ決まった時間帯に起こることです。多くは夕方から夜にかけて起こりやすく、その時間帯になるとまるで火照ったように感じ、大量の汗をかくこともあります。

また、体温の変化に伴い、動悸や息切れ、めまい、倦怠感などが現れることもあります。このような症状は日常生活にも影響を及ぼし、睡眠不足や疲労感の原因となることもあります。

潮熱は、更年期障害の代表的な症状の一つとして知られていますが、更年期以外にも、自律神経の乱れやストレス、甲状腺機能の異常、感染症など、様々な要因によって引き起こされる可能性があります。そのため、もしも潮熱のような症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

項目 説明
症状 特定の時間帯に体温が急激に上昇と下降を繰り返す。顔や首、頭などに強い熱を感じる。
特徴 ・体温の変化が1日のうちでほぼ決まった時間帯に起こる
・夕方から夜にかけて起こりやすい
・体温の変化に伴い、動悸や息切れ、めまい、倦怠感などが現れることも
原因 ・更年期障害
・自律神経の乱れ
・ストレス
・甲状腺機能の異常
・感染症など

潮熱の原因

潮熱の原因

– 潮熱の原因

潮熱とは、突然体が熱くなり、発汗やのぼせ、動悸などが起こる症状です。更年期を迎えた女性の多くが経験する症状として知られていますが、一体なぜこのような症状が起こるのでしょうか。

潮熱の主な原因は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの減少にあると考えられています。エストロゲンは、女性の体内で卵巣から分泌されるホルモンであり、体の様々な機能に関与しています。特に、体温調節機能との関連が深く、エストロゲンが正常に分泌されている状態では、体温は一定に保たれています。

しかし、更年期に差し掛かると卵巣機能が徐々に低下し、それに伴いエストロゲンの分泌量も急激に減少していきます。すると、これまで正常に機能していた体温調節機能が乱れ、脳が体温を誤って認識してしまうことで、体に熱がこもったような感覚や、急な発汗、のぼせといった潮熱の症状が現れるのです。

このように、潮熱は主に更年期におけるホルモンバランスの乱れによって引き起こされますが、更年期以外の要因で起こる場合もあります。例えば、強いストレスや不規則な生活習慣、睡眠不足、甲状腺機能の異常なども、自律神経の乱れを引き起こし、体温調節機能に影響を与えることで潮熱を引き起こす可能性があります。

潮熱の症状 主な原因 原因の詳細 その他要因
  • 突然体が熱くなる
  • 発汗
  • のぼせ
  • 動悸
女性ホルモン(エストロゲン)の減少
  • エストロゲンは体温調節機能と深く関連
  • 更年期でエストロゲンが減少→体温調節機能が乱れる
  • 脳が体温を誤認識→潮熱の症状
  • 強いストレス
  • 不規則な生活習慣
  • 睡眠不足
  • 甲状腺機能の異常

潮熱の症状

潮熱の症状

– 潮熱の症状

潮熱は、まるで熱い閃光が体内を駆け巡るような、突然の強い熱感を伴う体の反応です。その症状は人によって大きく異なり、全く自覚症状がない人もいれば、日常生活に支障が出るほど強く症状が現れる人もいます。

典型的な潮熱の症状としては、まず顔、首、頭、胸など体の上半身を中心に、強烈な熱感が急激に生じます。これは、まるで火照ったように感じられ、皮膚が赤くなる人もいます。この熱感は数分間続くことが一般的で、その後は大量の汗が噴き出し、体が冷えていくという経過をたどります。汗の量は個人差があり、衣服が湿る程度の人もいれば、びっしょりと濡れてしまう人もいます。

熱感と並行して、動悸や息切れ、めまい、不安感、イライラ感、頭痛などを伴うこともあります。これらの症状は、夜間にも起こることがあり、「寝汗」と呼ばれる大量の汗を伴うこともあります。その結果、睡眠が浅くなったり、途中で目が覚めてしまったりと、睡眠不足に陥りやすくなります。睡眠不足は、日中の倦怠感や集中力低下、イライラしやすくなるなど、心身に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。

潮熱は更年期の女性によくみられる症状ですが、男性にも起こることがあります。また、甲状腺疾患や癌治療の副作用として現れることもあります。症状が重い場合や、生活に支障が出ている場合は、医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。

症状 詳細
熱感 顔、首、頭、胸など体の上半身を中心に、急激に強い熱感が生じる。数分間続く。
発汗 熱感の後、大量の汗が出る。
その他 動悸、息切れ、めまい、不安感、イライラ感、頭痛など
夜間は「寝汗」と呼ばれる大量の汗を伴うことも

潮熱への対処法

潮熱への対処法

– 潮熱への対処法

潮熱は、更年期によくみられる症状の一つで、突然体が熱くなるのを感じ、発汗や動悸を伴うこともあります。その原因や症状の程度は人それぞれで、対処法も多岐にわたります。

まず、日常生活を見直すことは、潮熱を含む更年期症状の改善に非常に大切です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、規則正しい生活リズムの中で、適度な運動を取り入れましょう。睡眠を十分にとることも重要です。また、ストレスは自律神経のバランスを乱し、潮熱を悪化させる要因となり得ます。リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。

服装を工夫することも、潮熱の不快感を軽減する効果があります。薄着を重ね着することで、体温調節がしやすくなり、急な発汗にも対応できます。吸水性や通気性の良い綿や麻などの自然素材の衣服を選ぶこともおすすめです。

これらのセルフケアを行っても症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたすほど辛い場合は、我慢せずに医療機関を受診しましょう。漢方薬の処方やホルモン補充療法など、その人に合った治療法を検討することが可能です。一人で悩まず、専門家のサポートを受けることも大切です。

対処法 詳細
日常生活の見直し – 栄養バランスの取れた食事
– 規則正しい生活リズム
– 適度な運動
– 十分な睡眠
– ストレス解消
服装の工夫 – 薄着を重ね着
– 吸水性や通気性の良い自然素材の衣服
医療機関の受診 – 漢方薬の処方
– ホルモン補充療法

東洋医学的視点からの潮熱

東洋医学的視点からの潮熱

東洋医学では、体の中で自然と変化し続けるエネルギーの流れである「陰陽」のバランスが崩れることが、様々な不調につながると考えられています。潮熱もこの考え方に基づき、体の内部で熱のバランスが崩れ、過剰な熱が上半身に上昇することで起こると捉えられています。

この熱の偏りは、「気」「血」「水」のバランスの乱れによって引き起こされると考えられています。「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその循環、「水」は体液全般を指し、これらが滞りなく巡ることで健康が保たれると考えられています。

特に、加齢やストレス、過労、睡眠不足などは、「腎」と呼ばれる臓器の働きを低下させると考えられています。「腎」は、東洋医学では成長、発育、生殖機能、水分代謝などを司るとされ、「腎」の働きが弱まると、体内の水分バランスが崩れ、熱がこもりやすくなり、のぼせやほてり、発汗といった潮熱の症状が現れやすくなると考えられています。

東洋医学では、潮熱の治療として、鍼灸治療や漢方薬を用いることが一般的です。鍼灸治療は、身体の特定のツボに鍼を刺したり、お灸を据えることで「気」の流れを調整し、陰陽のバランスを整えていきます。漢方薬は、一人ひとりの体質や症状に合わせて、生薬を組み合わせた漢方薬を処方することで、体の内側から根本的な改善を目指します。

概念 説明 潮熱との関連
陰陽 体の中で自然と変化し続けるエネルギーの流れ。東洋医学の基本的な考え方。 陰陽のバランスが崩れると、様々な不調につながるとされ、潮熱もその一つ。
気・血・水
  • 気:生命エネルギー
  • 血:血液とその循環
  • 水:体液全般
これらが滞りなく巡ることで健康が保たれると考えられ、バランスの乱れは潮熱の原因となる。
東洋医学では成長、発育、生殖機能、水分代謝などを司るとされる臓器。 加齢やストレスなどで腎の働きが弱まると、体内の水分バランスが崩れ、熱がこもりやすくなり、潮熱の症状が現れやすくなると考えられている。
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