知っておきたい内痔の知識
東洋医学を知りたい
先生、『內痔』って東洋医学の言葉ですか?それと、どんな病気なのかよくわかりません。
東洋医学研究家
そうだね。『內痔』は東洋医学の言葉というよりは、医学用語だね。肛門の病気の一つで、簡単に言うと、肛門の近くの血管がふくらんでしまった状態を指すんだ。
東洋医学を知りたい
血管がふくらむんですか?
東洋医学研究家
そう。わかりやすく言うと、足の血管がふくらんでしまう『静脈瘤』と似たような状態が、肛門の中で起きているんだ。だから、東洋医学だけで扱う病気というわけではないんだよ。
內痔とは。
東洋医学で「内痔」と呼ばれるものは、肛門に近い直腸の静脈がふくらんで瘤のようになった状態を指します。この瘤は、肛門と直腸の境目にあるギザギザの線(歯状線)よりも体内側の近くにできます。
内痔とは?
– 内痔とは?
肛門の内側にできるいぼ痔を内痔といいます。私たちが普段、「痔」と呼んで恐れる病気の一つです。この内痔は、肛門の入り口から少し入ったところに「歯状線」と呼ばれるギザギザとした線があります。この線の内側にできます。
では、なぜ内痔ができるのでしょうか? 実はこの歯状線の内側には、静脈が網の目のように張り巡らされています。そして、排便時など、肛門に負担がかかると、この部分の血液の流れが悪くなり、うっ血してしまいます。その結果、静脈が膨らんでしまい、内痔となってしまうのです。
内痔は、初期段階では自覚症状がほとんどない場合も多く、知らないうちに進行していることがあります。しかし、進行すると、様々な症状が現れ始めます。代表的な症状として、出血があります。排便時に便器が赤く染まったり、トイレットペーパーに血が付着したりします。また、痔核と呼ばれる腫れが肛門の外に飛び出してくる「脱出」や、肛門周辺の痛み、かゆみなどの症状が出ることもあります。内痔は、放置すると悪化しやすく、手術が必要になるケースもあります。そのため、早期発見・早期治療が大切です。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 肛門の内側(歯状線より内側)にできるいぼ痔 |
原因 | 排便時などの肛門への負担により、歯状線内側の静脈の血流が悪くなり、うっ血して静脈が膨らむ |
症状 |
|
治療 | 早期発見・早期治療が重要。放置すると悪化し、手術が必要になるケースも。 |
内痔の原因
{内痔は、肛門とその周辺にできる静脈瘤の一種で、痛みやかゆみ、出血などを伴うことがあります。内痔の主な原因は、排便時に過度にいきんだり、便秘や下痢によって肛門に負担がかかり続けることなどが挙げられます。
デスクワークや立ち仕事など、長時間同じ姿勢を続けることも、腹圧の上昇を招き、内痔のリスクを高めます。妊娠や出産も、大きくなる子宮によって腹部に圧力がかかるため、内痔になりやすいと言われています。
食生活の乱れも、内痔に影響を与えます。食物繊維が不足すると便秘になりやすく、反対に、刺激物の摂り過ぎは下痢を招きやすいため、どちらも肛門への負担を増大させてしまいます。
運動不足は、血行不良を引き起こし、内痔の悪化を招く可能性があります。また、冷え性も血行を悪くする要因となるため、注意が必要です。
内痔を予防するためには、規則正しい生活習慣を身につけ、肛門への負担を軽減することが重要です。特に、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけましょう。}
要因 | 詳細 |
---|---|
内痔の原因 | 肛門とその周辺にできる静脈瘤 |
症状 | 痛み、かゆみ、出血 |
主な原因 | ・排便時のいきみ ・便秘 ・下痢 ・長時間同じ姿勢 ・妊娠、出産 |
生活習慣 | ・食生活の乱れ ・運動不足 ・冷え性 |
予防 | ・規則正しい生活習慣 ・バランスの取れた食事 ・適度な運動 ・十分な睡眠 |
内痔の症状
– 内痔の症状
内痔は、肛門の内側にできるいぼ状の腫れで、初期段階では自覚症状がほとんどない場合も多いです。しかし、進行すると様々な症状が現れ、日常生活に支障をきたすこともあります。内痔の進行段階と、それに伴い現れる主な症状について詳しく見ていきましょう。
-# 初期段階
初期の内痔では、自覚できる症状はほとんどありません。そのため、健康診断や他の病気の診察で偶然発見されることが多いです。便に血が混じるなど、いつもと違うことに気付いたら、放置せずに医療機関を受診しましょう。
-# 中期段階
内痔が進行すると、出血や脱出といった症状が現れ始めます。出血は、排便時にトイレットペーパーに鮮やかな赤い血液が付着したり、便器の水が赤く染まったりすることで分かります。また、排便時に肛門から内痔が飛び出す「脱肛」が起こることもあります。初期の脱肛では、自然に肛門の中に戻りますが、進行すると指で押し戻す必要がある場合や、常時肛門の外に飛び出した状態になってしまうこともあります。
-# 後期段階
さらに症状が進むと、激しい痛みや不快感を伴うようになります。内痔が炎症を起こしたり、肛門の外に飛び出したままになってしまったりすることで、強い痛みを感じます。日常生活にも支障をきたし、排便に時間がかかったり、座っているのが辛くなったりすることもあります。
内痔は放置すると症状が悪化するだけでなく、肛門周囲膿瘍などの合併症を引き起こす可能性もあります。少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。
段階 | 症状 |
---|---|
初期段階 | ・自覚症状はほとんどない ・便に血が混じる場合がある |
中期段階 | ・出血(鮮やかな赤い血液) ・脱肛(最初は自然に戻るが、進行すると指で押し戻す必要がある) |
後期段階 | ・激しい痛みや不快感 ・日常生活に支障が出る場合がある |
内痔の治療法
– 内痔の治療法
内痔の治療は、その症状の度合いによって異なってきます。
初期の軽い内痔の場合は、毎日の食事内容を見直し、食物繊維を多く摂るように心がけましょう。また、決まった時間にトイレに行く習慣をつけ、排便時間をしっかりと確保することも重要です。これらの生活習慣の改善と並行して、薬を用いた治療も行われます。塗り薬を使用することで、患部の痛みやかゆみなどの症状を和らげることができます。
内痔が進行し、中等度の症状が出ている場合は、生活習慣の改善や薬物療法に加えて、より効果の高い治療法が検討されます。その一つに、ALTA療法があります。これは、内痔の根元部分に特殊なゴムで作った輪っかをかけ、血流を止めることで内痔を縮小させる治療法です。比較的痛みが少なく、体への負担も軽いという特徴があります。また、ジオン注射も、中等度の内痔に用いられる治療法の一つです。これは、内痔に薬を注射することで、内痔を固くして縮小させる方法です。
内痔がさらに進行し、重症化してしまった場合や、他の治療法では効果が見られない場合は、手術が必要となることがあります。手術には、内痔を切除する方法や、内痔に流れる血液を止めて縮める方法など、様々な種類があります。医師とよく相談し、自身の症状や体質に合った治療法を選択することが大切です。
症状の度合い | 治療法 | 説明 |
---|---|---|
初期段階(軽い症状) | 生活習慣の改善 | ・食物繊維を多く摂る ・決まった時間にトイレに行く ・排便時間をしっかりと確保する |
初期段階(軽い症状) | 薬物療法(塗り薬) | 患部の痛みやかゆみ等の症状を和らげる |
中等度 | ALTA療法 | 内痔の根元部分に特殊なゴムで作った輪っかをかけ、血流を止めることで内痔を縮小させる。比較的痛みが少なく、体への負担も軽い。 |
中等度 | ジオン注射 | 内痔に薬を注射することで、内痔を固くして縮小させる。 |
重症化、または他の治療法で効果が見られない場合 | 手術 | 内痔を切除する方法や、内痔に流れる血液を止めて縮める方法など、様々な種類がある。 |
内痔の予防法
– 内痔の予防法
内痔は、肛門周囲の静脈がうっ血して腫れたり、炎症を起こしたりする病気です。一度なってしまうと、痛みやかゆみ、出血などの症状に悩まされることになります。内痔は、日頃の生活習慣の積み重ねによって引き起こされることが多い病気です。そのため、内痔にならないためには、生活習慣を見直し、内痔になりにくい体作りをすることが重要です。
内痔予防には、まず食生活の改善が欠かせません。毎日の食事では、食物繊維を積極的に摂るように心がけましょう。食物繊維は、便の量を増やし、柔らかくする効果があります。また、腸の動きを活発にし、排便を促す効果も期待できます。食物繊維が豊富な食品としては、野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなどが挙げられます。これらの食品をバランス良く食事に取り入れるようにしましょう。
また、水分を十分に摂ることも、内痔予防には大切です。水分不足になると、便が硬くなり、排便時に負担がかかりやすくなります。その結果、肛門周囲に負担がかかり、内痔のリスクが高まります。こまめな水分補給を心がけ、便を柔らかく保つようにしましょう。
さらに、排便習慣を見直すことも重要です。トイレに長時間座り込んだり、いきみすぎたりすると、肛門周囲に大きな負担がかかります。排便の際は、リラックスして、必要以上にいきまないようにしましょう。また、便意を感じたら我慢せずに、早めにトイレに行くように心がけることも大切です。
適度な運動も、内痔予防に効果的です。運動不足になると、腹筋や腸の動きが弱まり、便秘になりやすくなります。適度な運動を心がけ、腹筋を鍛えたり、腸の動きを活発にしたりすることで、便秘の解消、ひいては内痔の予防に繋げましょう。
ストレスをため込まないことも大切です。ストレスは、自律神経のバランスを乱し、腸の働きを低下させる原因となります。その結果、便秘になりやすくなるなど、内痔のリスクを高めることに繋がります。ストレスを上手に解消する方法を見つけ、心身ともに健康な状態を保つようにしましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
食生活の改善 | – 食物繊維を積極的に摂る(野菜、海藻、きのこ、こんにゃくなど) – 水分を十分に摂る |
排便習慣の見直し | – トイレに長時間座り込んだり、いきみすぎたりしない – 便意を感じたら我慢せず、早めにトイレに行く |
適度な運動 | – 腹筋や腸の動きを活発にする – 便秘の解消 |
ストレスをため込まない | – 自律神経のバランスを整え、腸の働きを維持 |