東洋医学

その他

侮れない坐骨瘡:東洋医学からの視点

- 坐骨瘡とは?坐骨瘡は、長時間同じ姿勢を続けることで起こる病気です。特に、寝たきりや車椅子を常用されている方など、自力で体の向きを変えることが難しい方に多く見られます。長時間、体重で圧迫され続けると、臀部への血流が悪くなってしまいます。すると、体の組織に栄養や酸素が行き渡らなくなり、皮膚やその下の筋肉などが傷ついてしまうのです。初期症状としては、皮膚が赤くなる、熱を持つ、腫れるといったものがあります。さらに症状が進むと、水ぶくれや皮膚の剥離が起こり、ひどい場合には潰瘍になってしまうこともあります。潰瘍は、皮膚の表面がえぐれた状態です。そこから細菌感染を起こしてしまうと、治りが遅くなるだけでなく、命に関わる危険性も出てきます。坐骨瘡は、決して軽視できない病気です。日頃から、体の向きを変えたり、クッションを使ったりして、臀部への負担を軽減することが大切です。また、皮膚に異常を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
その他

赤ちゃんの髮際瘡:東洋医学的視点

- 髮際瘡とは-# 髮際瘡とは髮際瘡とは、生まれたばかりの赤ちゃんの後頸部、特に髪の毛の生え際にみられる、赤い湿疹のような皮膚症状を指します。一般的に、生後1か月ごろまでに現れることが多く、痒みを伴うこともあります。東洋医学では、赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、未熟であるため、外邪の影響を受けやすいと考えられています。特に、湿度の高い環境や、汗、母乳の吐き戻しなどが原因で、体に余分な水分である「湿邪」が溜まりやすくなります。この湿邪が赤ちゃんの皮下に停滞し、熱を持つことで、髮際瘡が発症すると考えられています。髮際瘡は、適切なケアを行えば、多くの場合自然に治癒していきます。しかし、症状がひどい場合や、なかなか治らない場合には、専門家の診察を受けることが大切です。
漢方の治療

温補命門:腎陽虚を改善する東洋医学

- 温補命門とは-# 温補命門とは「温補命門」とは、東洋医学における治療法の一つで、体の奥深くに位置する「腎」という臓器の働きを活性化させることを目的としています。 特に、「腎陽虚」と呼ばれる、体のエネルギー源である「陽気」が不足し、冷えを感じやすくなったり、活動意欲が低下したりする状態に効果があるとされています。腎は、東洋医学では生命エネルギーを蓄え、成長や生殖、老化に関わる重要な臓器と考えられています。この腎の陽気が不足すると、冷え性、倦怠感、腰痛、頻尿、勃起不全など、様々な症状が現れるとされています。温補命門では、身体を温め、陽気を補う効果を持つ生薬を組み合わせて用いることで、弱った腎の機能を高め、症状の改善を図ります。 代表的な生薬としては、身体を温める作用の強い「附子(ブシ)」や「肉桂(ニッケイ)」、陽気を補う「人参(ニンジン)」や「鹿茸(ロクジョウ)」などが挙げられます。これらの生薬を、 individual 体質や症状に合わせて配合することで、より効果的な治療を目指します。温補命門は、単に身体を温めるだけでなく、根本的な体質改善を目指す治療法と言えるでしょう。
その他

東洋医学が診る瘡瘍:その原因と治療法

- 瘡瘍とは何か瘡瘍とは、皮膚表面が赤く腫れ上がり、熱を持ち、痛みを伴う症状を総称した言葉です。これは、現代医学でいうところのニキビや癰、疽、蜂窩織炎など、様々な皮膚の病気を含みます。西洋医学では、これらの症状は細菌感染などによって引き起こされると考えられていますが、東洋医学では少し異なる視点から捉えます。東洋医学では、体の表面に現れる症状は、体の内部、つまり内臓や気血の流れと密接に関係していると考えられています。つまり、瘡瘍は単なる皮膚の炎症ではなく、体の内部に潜む不調が表面に現れたサインと捉えるのです。例えば、暴飲暴食や脂っこいものの食べ過ぎなど、不摂生な生活を続けていると、体に熱がこもりやすくなります。この熱が体の上部、特に顔に影響を与えると、ニキビができやすくなると考えられています。また、ストレスや疲労、冷えなどで体の免疫力が低下すると、皮膚のバリア機能も低下し、細菌感染を起こしやすくなります。これが、癰や疽などの化膿性の皮膚疾患に繋がると考えられています。このように、東洋医学では瘡瘍の原因を体の内外の様々な要因から総合的に判断します。そして、その原因に基づいて、食事療法や漢方薬、鍼灸治療など、一人ひとりの体質や症状に合わせた治療法を行います。
内臓

冬の落とし穴!寒疝にご用心

冬の寒さが厳しくなると、急な腹痛に襲われることがあります。これは「寒疝(かんしゃ)」と呼ばれるもので、読んで字のごとく、寒さが原因で起こる腹痛のことを指します。東洋医学では、冬の寒さが体に侵入してくることで、体内の気のバランスが乱れ、その結果として腹痛が生じると考えられています。特に、お腹は冷えやすい部分であるため、寒さが直接伝わりやすく、影響を受けやすいと考えられています。寒疝の特徴的な症状としては、強い腹痛や腹部膨満感が挙げられます。その他、吐き気や下痢を伴う場合もあります。これらの症状は、寒さにさらされることで悪化し、温めると軽減することが多く見られます。東洋医学では、寒疝の予防には、身体を温めることが重要であると考えられています。普段から、温かい服装を心がけたり、腹巻や湯たんぽなどでお腹を温めるようにしましょう。また、冷えやすい飲み物や食べ物を避け、温かい食事を摂るように心がけることも大切です。もし、寒さで腹痛が起きた場合は、まず温かい場所で安静にしましょう。そして、お腹を温めたり、温かい飲み物をゆっくりと飲んで下さい。症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、自己判断せずに、医療機関を受診するようにしましょう。
その他

知っておきたい病気:小腸気について

- 小腸気の定義-# 小腸気の定義「小腸気」とは、本来あるべき位置に収まっているべき臓器の一部、特に小腸が、本来とは異なる場所へ飛び出してしまう状態を指します。私たちのお腹の中には、胃や腸などの臓器が収まっています。これらの臓器は、筋肉や組織でできた壁で適切な位置に保たれています。しかし、様々な要因によってこの壁の一部が弱まったり、隙間ができてしまうことがあります。小腸気は、このような壁の隙間から、小腸の一部が飛び出してしまう症状です。飛び出した小腸は、多くの場合、薄い膜のような組織に包まれた袋状の状態になります。お腹の中で最も多く見られる症状ですが、場合によっては、お腹以外の部位でも発生することがあります。例えば、太ももの付け根の部分や、手術の傷跡などから小腸が飛び出すこともあります。小腸気が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診することが大切です。放置すると、飛び出した小腸が締め付けられて壊死してしまうなど、深刻な事態に陥る可能性もあります。
内臓

知っておきたい体の異常:疝について

疝とは、体の内部にある臓器や組織が、本来あるべき位置から飛び出してきてしまう症状を指します。人の体は、筋肉や組織の壁によって様々な臓器が正しい位置に収まるようにできています。しかし、この壁が何らかの原因で弱くなってしまうと、その部分から臓器が押し出されるように飛び出してしまい、皮膚の下にポコッと膨らみが生じることがあります。これが疝と呼ばれる状態です。疝は、お腹にできることが多く、特に太ももの付け根にある「鼠径部」という部分にできやすい傾向があります。鼠径部は、足の血管や神経が通る通路であると同時に、お腹と足の筋肉の境目でもあり、構造的に弱い部分であるため、疝が発生しやすくなっています。また、おへその周りにも疝はできやすく、これは「臍ヘルニア」とも呼ばれます。おへそは、胎児期に母親から栄養や酸素を受け取るための血管である「臍帯」という管が通っていた跡であり、他の部位に比べて組織が薄くなっているため、疝が起こりやすいのです。疝は、自然に治ることはほとんどなく、手術によって飛び出した臓器を元の位置に戻し、弱くなった筋肉の壁を補強する必要があります。放置すると、飛び出した臓器が締め付けられて血流が悪くなったり、腸閉塞などの深刻な合併症を引き起こす可能性もあるため、早期の治療が重要です。
内臓

東洋医学から見る疝氣:原因と治療法

- 疝氣とは疝氣は、お腹の部分に違和感や腫れが現れ、場合によっては陰嚢にまで響く痛みを伴う病気です。東洋医学では古くから知られており、現代医学では「ヘルニア」と呼ばれています。これは、本来あるべき場所から臓器の一部が飛び出してしまうことで起こります。お腹の中には、胃や腸などの臓器が収まっていますが、これらは薄い膜で覆われています。この膜が何らかの原因で弱くなったり、穴が開いたりすると、臓器の一部がその隙間から飛び出してしまいます。これが疝氣です。飛び出した臓器は、皮膚の下に張り出したような状態になり、触ると柔らかく、押すと元に戻ることもありますが、再び飛び出してくることもあります。疝氣は、その発生部位によって様々な種類に分けられます。例えば、おへその周りで起こる「臍ヘルニア」、太ももの付け根で起こる「鼠径ヘルニア」、手術跡にできる「瘢痕ヘルニア」などがあります。疝氣は、自然に治ることはほとんどありません。症状が悪化すると、激しい痛みや吐き気を伴うこともあり、放置すると飛び出した臓器が締め付けられて壊死してしまう危険性もあります。そのため、疝氣と診断された場合は、手術が必要となるケースがほとんどです。
内臓

東洋医学から見る「疝」の世界

- 「疝」とは何か?「疝」とは、東洋医学において、主に下腹部や陰嚢に痛みを感じたり、目で見てわかる腫れが現れたりする状態を指します。西洋医学でいう「ヘルニア」と共通する部分もありますが、東洋医学では体の表面的な症状だけでなく、体の内部の状態や、その人の体質、生活習慣などを総合的に判断して「疝」と捉えます。そのため、西洋医学の検査で異常が見つからない場合でも、「疝」と診断されることがあります。東洋医学では、「気」「血」「水」のバランスが崩れることで体に不調が現れると考えます。「疝」もこの考え方に基づき、主に「気」の巡りが滞ることによって起こるとされています。「気」の滞りは、過労やストレス、冷たい食べ物や飲み物の摂り過ぎ、老化などが原因で起こると考えられています。「疝」の症状は、痛みや腫れ以外にも、腹部が張る、引っ張られるような感覚がある、便秘や下痢を繰り返すなど、さまざまです。また、症状の現れ方や程度も人によって大きく異なります。東洋医学では、「疝」の治療には、「気」の巡りを改善し、体のバランスを整えることを目的とした漢方薬の処方が一般的です。また、鍼灸治療やあん摩マッサージ指圧治療なども効果があるとされています。さらに、日常生活では、バランスの取れた食事を心がけ、適度な運動を行い、十分な睡眠をとることが大切です。
その他

腰痛:東洋医学からの視点

- 腰痛とは腰痛は、多くの人が経験するありふれた症状です。重い物を持ち上げた時や、長時間同じ姿勢を続けていた時など、日常生活のふとした瞬間に、腰に痛みが走る経験をしたことがある方も少なくないでしょう。西洋医学では、腰痛の原因は、筋肉や骨格の疲労、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛など、様々なものが考えられています。一方、東洋医学では、腰痛は身体の内部のバランスが崩れた結果として捉えます。東洋医学では、「気・血・水」と呼ばれる生命エネルギーが体の中を巡っており、この流れが滞ったり、不足したりすることで、様々な不調が現れると考えられています。腰痛の場合、特に「気」と「血」の巡りが悪くなっている状態を指します。例えば、冷えやストレス、過労などが原因で、「気」が滞ったり、「血」の巡りが悪くなると、腰部に栄養や酸素が行き渡らなくなり、筋肉や組織が硬くなってしまいます。その結果、腰痛を引き起こすと考えられています。東洋医学では、腰痛の根本的な原因を探り、身体全体のバランスを整えることで、症状の改善を目指します。鍼灸治療や漢方薬の服用、日常生活の養生法などを組み合わせることで、「気・血・水」の流れをスムーズにし、健康な状態へと導いていきます。
漢方の診察

痿躄:東洋医学が捉える筋力低下の概念

- 痿躄とは-# 痿躄とは痿躄(いひ)とは、東洋医学において用いられる言葉で、脚に力が入らず歩行が困難な状態を指します。現代医学でいう筋萎縮や麻痺といった病名とは異なる視点から、体の不調をとらえた概念です。西洋医学では、主に筋肉や神経の異常を原因として病気を診断しますが、東洋医学では、人間の体は自然の一部であり、その調和が崩れることで病気が生じると考えます。痿躄も、この調和の乱れが原因で起こると考えられており、その要因は様々です。東洋医学では、生命エネルギーである「気」や血液などの「血」の流れが滞ったり、不足したりすることで、体のバランスが崩れると考えられています。痿躄の場合、これらの要素が脚に十分に行き渡らなくなることで、筋力の低下や運動障害が生じると考えられています。例えば、過労やストレス、冷えなどが原因で、「気」の流れが滞ると、栄養や酸素が筋肉に十分に行き渡らず、痿躄の状態を引き起こすと考えられています。また、加齢や栄養不足などによって「血」が不足すると、筋肉に栄養が行き渡らず、痿躄を引き起こすと考えられています。このように、痿躄は単なる脚の症状ではなく、体の全体のバランスの乱れが表れた結果だと考えられています。そのため、東洋医学では、一人ひとりの体質や症状に合わせて、食事療法や鍼灸治療などを行い、体のバランスを整えることで、痿躄の改善を目指します。
内臓

東洋医学における肝痿:その原因と症状

- 肝痿とは-# 肝痿とは「肝痿」は、東洋医学の考え方に基づいた病気の一つで、現代医学でいう「筋萎縮」に当てはまります。 これは、体の様々な機能を調節する「肝」の働きと深く関わっています。東洋医学では、過度な怒りやストレスなどの感情の乱れが「肝」の気を上昇させ、体に熱を生み出すと考えられています。 この熱が筋肉に悪影響を及ぼし、筋肉の痙攣や麻痺を引き起こすことで、正常に体を動かすことができなくなってしまうのです。「肝」は、東洋医学では「血」を貯蔵し、全身にスムーズに巡らせる役割を担っていると考えられています。 しかし、「肝」の機能が低下すると、この「血」の巡りが滞り、筋肉に十分な栄養が行き渡らなくなります。その結果、筋肉は衰え、萎縮してしまうと考えられています。「肝痿」は、現代医学の視点からは、神経系の病気や筋肉の病気、栄養不良などが原因で起こると考えられています。しかし、東洋医学では、感情の乱れやストレスなどの精神的な要因も大きく影響すると考えられており、「肝」の働きを整え、「血」の巡りを良くすることで、症状の改善を目指します。
漢方の診察

筋痿:肝の気が引き起こす運動障害

- 筋痿とは-# 筋痿とは筋痿とは、東洋医学において、筋肉が徐々に衰弱し、本来あるべき運動機能が損なわれた状態を指します。西洋医学でいう筋萎縮や筋ジストロフィーなどの特定の疾患とは一線を画し、様々な要因や症状を含んだ幅広い状態を包括的に捉えています。私たちの日常生活において、筋力は非常に重要な役割を担っています。立つ、歩く、物を持ち上げるといった動作一つ一つが、健康な筋力によって支えられているのです。この筋力が低下してしまう筋痿は、私たちの生活に大きな支障をきたす可能性を秘めています。東洋医学では、筋痿の原因を、主に気血の不足、経絡の阻塞、そして臓腑の機能低下として捉えます。過労や偏った食事、加齢、冷えなどの影響で、気血の流れが滞ったり、臓腑の機能が低下したりすることで、筋肉に十分な栄養が行き渡らなくなり、筋痿を引き起こすと考えられています。筋痿の症状は、筋肉の衰えや脱力感、しびれ、痛みなど、多岐にわたります。初期症状では、疲れやすさや軽い運動後の息切れなどがみられますが、進行するにつれて、歩行困難や日常生活動作の制限が現れることもあります。東洋医学では、筋痿の治療として、鍼灸治療、漢方薬の処方、食事療法、運動療法などを組み合わせて、患者さん一人ひとりの体質や症状に合わせた総合的な治療を行います。気血の流れを改善し、臓腑の機能を高め、筋肉に栄養を補給することで、筋力の回復を目指します。
漢方の治療

鎭肝熄風:肝の熱を抑え、心を穏やかに

- 東洋医学における肝-# 東洋医学における肝東洋医学では、肝臓は体の重要な器官の一つであると捉えられています。西洋医学では肝臓は主に消化器官として認識されていますが、東洋医学では肝臓は「疏泄(そせつ)」という重要な機能を担い、精神活動や感情にも深く関わっているとされています。「疏泄」とは、東洋医学における生命エネルギーである「気」の流れをスムーズにする働きを指します。肝臓の働きによって気が全身に行き渡ることで、心身のバランスが保たれ、情緒が安定すると考えられています。しかし、過労やストレス、不規則な生活習慣、冷えなどが原因で肝の機能が低下すると、「疏泄」が滞り、気の流れが阻害されてしまいます。この状態を東洋医学では「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼びます。肝気鬱結になると、イライラしやすくなったり、怒りっぽくなったり、情緒不安定に陥りやすくなるなど、精神面に様々な不調が現れます。また、抑うつ状態、ため息、生理不順、めまい、耳鳴り、頭痛、肩こり、便秘といった症状が現れることもあります。東洋医学では、肝の機能を高めるためには、気の流れを良くすることが重要だと考えられています。十分な休息や睡眠をとり、ストレスを解消することで、肝の負担を軽減し、「疏泄」の働きを促すことが大切です。また、バランスの取れた食事や適度な運動も、肝の機能維持に役立ちます。
慢性疾患

骨痿:腎の力が弱るとは?

- 骨痿とは?-# 骨痿とは?骨痿は、東洋医学の考え方で、体の重要な器官である腎の働きが弱まることで起こると考えられている病気です。東洋医学では、腎は生命エネルギーを蓄え、成長や発育、生殖機能などをコントロールする重要な役割を担うと考えられています。この腎のエネルギーが不足すると、体全体のバランスが崩れ、様々な不調が現れると考えられています。骨痿は、腎のエネルギー不足によって骨や筋肉が衰えていく状態を指します。具体的には、腰や膝の痛み、だるさ、しびれ、筋力低下などの症状が現れます。 西洋医学では、骨粗鬆症や変形性関節症、坐骨神経痛などの病気が、骨痿の症状と重なる部分が多いと考えられています。しかし、西洋医学では、骨や関節だけの問題として捉えられることが多いのに対し、東洋医学では、骨痿は腎の機能低下が根本原因だと考えます。そのため、治療においても、腎の働きを高めることを重視し、体全体のバランスを整えることを目指します。骨痿は、加齢と共に発症しやすくなるとされていますが、若い世代でも、過労やストレス、冷え、不規則な生活習慣などが原因で発症する可能性があります。日頃から、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、腎に負担をかけない生活を送り、体全体のバランスを整えることが、骨痿の予防、改善には重要です。
漢方の治療

熱と風の嵐を鎮める:清熱熄風療法

- 熱病の後期に見られる症状高熱が長く続く熱病は、体の潤いである「陰液」と、体を動かすエネルギーである「陽気」のバランスを崩し、病状が進むと生命の源である「陰津」を損傷することがあります。陰津は、体の潤いを保ち、熱を冷ます働きをしています。この陰津が熱によって消耗されると、体は乾燥し、熱がこもってしまいます。さらに陰津の損傷が深刻化すると、体内で風が吹き荒れるような状態、つまり「内風」が生じます。内風は、体の制御を失わせるため、様々な神経症状を引き起こします。具体的には、高熱が引いた後も、痙攣、意識障害、言語障害、顔や手足のひきつり、手足の震え、麻痺といった症状が現れることがあります。これらの症状は、高熱によって体の正常な機能が損なわれていることを示しています。そのため、熱病の後期にこのような症状が見られる場合は、速やかに医師の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。
その他

東洋医学における剛痙:熱と寒の間

- 剛痙とは-# 剛痙とは剛痙とは、東洋医学の観点からみた、熱を伴う痙攣の一種です。痙攣は一般的に筋肉の収縮によって起こりますが、剛痙は高熱に伴って現れる点が特徴です。急激な体温上昇によって一時的に脳の働きが乱れることで、全身の筋肉が固まり、突っ張ったような状態に陥ります。西洋医学では、主に乳幼児期に多く見られる熱性痙攣として認識されています。一方、東洋医学では、体質やその時の体調、周囲の環境など、様々な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。 例えば、体質として「熱証」と呼ばれる、体内に熱がこもりやすい人は、剛痙を起こしやすいと考えられています。また、暴飲暴食や睡眠不足、過労などで体のバランスが崩れている時や、季節の変わり目で気温の変化が激しい時なども、発症のリスクが高まります。東洋医学では、剛痙は一時的な症状として捉え、発症の原因を取り除くことで、自然と治癒に向かうと考えられています。しかし、症状が重い場合や、繰り返す場合は、専門家の診察を受けることが大切です。
その他

柔痙:熱性痙攣のもう一つの顔

- 柔痙とは-# 柔痙とは柔痙は、主に乳幼児期に見られる熱性痙攣の一種です。 熱性痙攣とは、高熱に伴って起こる痙攣発作のことで、多くの場合、6か月から5歳くらいまでの子どもに発症します。痙攣と聞くと、筋肉が硬直して体が突っ張る姿を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、柔痙は一般的な熱性痙攣とは異なり、筋肉の緊張が弱く、むしろ体がぐったりとしたり、顔色が悪くなったりするのが特徴です。具体的には、意識がぼーっとしたり、眼球が上転したり、呼吸が浅くなったり、顔色が蒼白になったりといった症状が現れます。場合によっては、手足が軽くけいれんしたり、力が抜けてぐったりしたりすることもあります。このような症状は、一見すると痙攣発作とは分かりにくいため、保護者の方は注意深く観察する必要があります。特に、発熱時にいつもと様子が違ったり、元気がなかったりする場合は、柔痙の可能性も考慮し、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
内臓

東洋医学における腸痹:その原因と症状

- 腸痹とは-# 腸痹とは「腸痹」とは、東洋医学における概念で、食べ物の消化や吸収、便の排泄といった、腸の働きが滞ってしまう状態を指します。現代医学でいう過敏性腸症候群(IBS)や慢性便秘といった病気と重なる部分もありますが、東洋医学では、体内の「気・血・水」のバランスの乱れが深く関係していると捉えています。「気」は生命エネルギー、「血」は血液とその循環機能、「水」は体液の総称です。これらが滞りなくスムーズに流れることで健康が保たれると考えられていますが、何らかの原因でこのバランスが崩れると、様々な不調が現れると考えられています。腸痹の場合は、特に「気」の滞りである「気滞」が大きく影響し、腸の蠕動運動が低下することで、腹痛や便秘、下痢といった症状が現れると考えられています。また、「冷え」も腸痹の原因の一つとされています。東洋医学では、冷えは身体を温める働きを持つ「陽気」が不足した状態と考えます。冷えによって腸の働きが弱まり、消化吸収機能や排泄機能が低下してしまうのです。さらに、東洋医学では、心と身体は密接に繋がっていると考えられており、ストレスや不安、緊張といった精神的な要因も腸痹に影響を与えると考えられています。過度なストレスを感じると「気」の流れが乱れやすくなり、その結果として腸の働きにも悪影響を及ぼしてしまうのです。このように、腸痹は「気・血・水」の乱れや冷え、心の状態など、様々な要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。
内臓

東洋医学における心痹:その病態と治療

- 心痹とは-# 心痹とは心痹とは、東洋医学において、心臓の働きが阻害され、様々な不調が現れる状態を指します。 これは、体内のエネルギーや血液の流れである「気血」が、何らかの原因で滞ってしまう「痹証(ひしょう)」が、心臓に起こることで引き起こされると考えられています。心臓は、全身に血液を送る重要な臓器であり、「五臓六腑」の中でも特に重要な「君主之官」とされています。 その心臓の働きが弱ってしまう心痹は、生命にも関わる重大な病として、古くから東洋医学で重要な治療対象とされてきました。心痹は、現代医学の狭心症や心筋梗塞などの心臓病とは全く異なる概念ですが、症状としては共通点もみられます。 胸の痛みや圧迫感、動悸、息切れ、冷や汗、顔色が悪くなる、などの症状が現れる場合、心痹の可能性が考えられます。 東洋医学では、心痹の原因は、過労や睡眠不足、精神的なストレス、暴飲暴食、冷え、老化 など、様々な要因が考えられています。 これらの要因によって、体内の気血の流れが乱れ、心臓に影響を及ぼすと考えられています。
漢方の診察

知られざる病『脈痹』とは

- 脈痹の概要脈痹とは、東洋医学で使われる言葉で、体の様々な場所に痛みやしびれが現れる病気のことを指します。西洋医学の特定の病気とは完全に一致しませんが、動脈硬化や末梢血管疾患などと関連付けられることもあります。東洋医学では、体の中を「気・血・水」と呼ばれる生命エネルギーが常に巡っているとされており、この流れが滞ると体に様々な不調が現れると考えられています。この流れが滞ることを「瘀血(おけつ)」といい、脈痹もこの瘀血が原因で起こると考えられています。脈痹は、特に血管の働きが低下することが原因で起こると考えられています。血管は、血液を全身に送り届ける重要な役割を担っていますが、加齢や生活習慣の乱れなどによって血管が硬くなったり、血管の内側にコレステロールなどが溜まったりすると、血液の流れが悪くなってしまいます。その結果、栄養や酸素が体の隅々まで行き渡らなくなり、痛みやしびれなどの症状が現れると考えられています。脈痹の症状は、痛みやしびれの他に、冷え、こわばり、むくみ、皮膚の色が変化するなど、様々なものがあります。これらの症状は、どの血管にどの程度瘀血が生じているかによって異なります。そのため、東洋医学では、脈や舌の状態、お腹の状態などを総合的に判断し、その人に合った治療法を検討していきます。
漢方の診察

東洋医学における血痺:その原因と治療法

- 血痺とは-# 血痺とは血痺とは、東洋医学において、体の様々な部位にしびれや痛み、運動障害が現れる「痺証」の中でも、特に血液の循環が悪くなることで引き起こされると考えられている病態です。現代医学の神経障害とは完全に一致しませんが、その症状から、手足のしびれや麻痺などを伴う病態と関連付けられます。東洋医学では、人間の生命活動は「気・血・水」のバランスによって成り立っていると考えられており、これらが滞りなく全身を巡ることで健康が保たれます。このうち、「血」は血管の中を流れ、全身に栄養を運ぶ役割を担っています。しかし、冷えや疲労、ストレス、偏った食事など、様々な要因によって血の巡りが悪くなると、「瘀血(おけつ)」と呼ばれる状態になります。瘀血は、ドロドロとした状態になった血液が血管内に停滞し、スムーズな流れを阻げている状態を指します。血痺は、この瘀血が原因で発症すると考えられています。瘀血によって血の流れが滞ると、神経や筋肉に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果、しびれや痛み、冷え、運動障害などの症状が現れると考えられています。血痺の症状としては、手足のしびれや麻痺、筋肉の痙攣、痛み、冷えなどが挙げられます。これらの症状は、朝起きた時や夕方以降、冷えた時などに悪化する傾向があります。また、血痺は進行すると、めまいや頭痛、言語障害、意識障害などを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
漢方の診察

東洋医学における肌痹:その原因と症状

- 肌痹とは-# 肌痹とは肌痹(きひ)とは、東洋医学において、身体の筋肉や皮膚に痺れや麻痺、感覚の異常が現れる病気である「痹病(ひびょう)」の一種を指します。 痹病は、生命エネルギーである「気」や血液などの「血」の流れが滞ってしまうことで起こると考えられており、その中でも特に皮膚や筋肉に症状が強く現れるものを「肌痹」と呼びます。肌痹は、現代医学の神経痛や神経麻痺、皮膚炎などに近い症状と言えるでしょう。例えば、手足のしびれや感覚の鈍麻、痛み、皮膚の乾燥や痒み、筋肉の痙攣や萎縮などが挙げられます。東洋医学では、肌痹の原因として、風邪や寒さ、湿気などの外邪が身体に侵入すること、過労やストレス、不眠、偏った食事などによって身体の抵抗力が低下すること、老化や病気などによって気血の巡りが悪くなることなどが考えられています。肌痹の治療では、鍼灸治療や漢方薬を用いて、身体の気血の流れを改善し、痺れや麻痺などの症状を緩和していきます。また、日常生活においても、身体を冷やさないように温めること、バランスの取れた食事を心がけること、適度な運動や休養をとることなどが大切です。
漢方の診察

東洋医学における骨痹:その原因と治療法

{骨痹とは、東洋医学において、風、寒、湿といった邪気が人体に侵入することで発症すると考えられている痹病の一種です。痹病は、これらの邪気が体内をめぐる経絡というエネルギーの通り道や、気血の流れを阻害することで、痛みやしびれなどの不調を引き起こします。骨痹は、この痹病の中でも特に骨や関節に症状が現れるものを指します。具体的には、鈍い痛みや重だるさを感じたり、関節が動きにくくなったりします。これらの症状は、天候や時間帯によって変化することも少なくありません。東洋医学では、骨痹の原因となる邪気や患者の体質を見極め、身体の内部から根本的に改善することを目指します。治療法としては、鍼灸治療や漢方薬の処方、生活習慣の指導などが挙げられます。これらの治療法を組み合わせることで、経絡や気血の流れを整え、邪気を体外に排出することで、症状の緩和を目指します。